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無暖房実験棟完成

2009.05.02

金沢工大 環境系・建築都市デザイン学科 垂水研究室の実験用として「無暖房実験棟」がついに完成しました。

場所は白山市にあります金沢工大のやつかほリサーチキャンパスの一角、真南に温室部分を向けて建っています。名前のとおり真冬でも無暖房で過ごすことが可能な建物になっています。
断熱材が普通の3~4倍も使ってあり、窓には3重ガラスの木製サッシを装備。また,建物外周部の地下1.5mにはクールヒートチューブなるステンレス管が埋めて有ります。冬の地下温度は13度程度有り、その熱を空気に置き換えて室内まで取り入れることが出来ます。それだけではなく、高性能の熱交換器が威力を発揮します。

 スウェーデン製の熱交換器

気密検査実施

2009.05.01

ブログUPが遅れてしまいましたが、4/21に無暖房実験棟の気密検査が行われましたので、その結果をUPしたいと思います。
無暖房の建物ということで、気密の良さはとても重要です。

そして、気密検査の結果ですが、C値(隙間相当面積)0.26c㎡/㎡という、すばらしい結果となりました。この値は、建物全体の隙間の割合を表すもので、小さければ小さいほど、高い気密性を有していることになります。省エネ基準での北陸地方の基準は5.0c㎡/㎡以下、そして通常当社で設計・監理を行っている建物では2.0c㎡/㎡以下という高い基準を設けています。このC値:0.26という結果がいかに優れているか分かります。

大工さんが面白いものを作ってくれました。壁の断熱材のモックアップです。
右の写真を見ると分かりますが、壁の断熱材の総厚は240mmとなっています。
板状の断熱材はネオマフォームの60mm、そして間にサンドイッチされた断熱材は高性能グラスウールの120mmとなっています。ここまでの高い断熱仕様を実現できたのは初めてです。真冬に来て、本当に無暖房で過ごせるのか体感してみたいものです。

フランスの温暖化対策

2009.04.18

環境グルネル第一法
 フランスでは気候変動から廃棄物、自然保護まで環境の対策を網羅する「環境グルネル第一法」が成立した。老朽化したビルや住宅などでの暖房によるCO2排出が多いことから、新法では建造物の断熱改修に集中投資する枠組みを導入。新築の建物には厳しいエネルギー効率を義務付ける。(日本経済新聞 21.04.16)

ヨーロッパはエネルギーがもともと少ない、EUで取り決めた全体目標に対して、各国がもっと踏み込んだ数値目標を掲げています。今回のフランスの施策はその中でも効果的な方法ではないだろうか。
断熱改修により建築物の外壁に留まらず、屋根や外回りのリニューアル、内部の模様替えにまで及ぶかもしれない。経済効果は2倍以上有ると思われる。2兆円ばら撒いてその何割しか効果のない施策とは雲泥の差だ。なぜ環境のキーワードによるこのようなアイデアが出ないのかふしぎのくに日本だ。

熱交換機が到着!

2009.04.16

金沢工大実験棟、UPします!

まずは4/14のことですが、ついに熱交換換気機がはるかスウェーデンから現場に到着しました。REC社のティーモベックスという機器で、熱交換率は80%以上という優れものです。無暖房住宅は名前の通り、暖房器具は一切なく、この熱交換機を上手に使うことで、暖房なしでも大丈夫なレベルになるようです。冬期に来て、実際に体感してみたいものです。

熱交換換気機のフィルターの写真です。フィルターは2種類あります。そして、それぞれ新しいものと、汚れたもの(2年間使用したもの)を並べていますが、このフィルターの性能こそが、気密住宅で快適に過ごすという、熱交換換気機の生命線になります。ちなみに、この機器のフィルターは大変優れた製品とのことです。

次に、本日、4/16の写真もUPします。
外部には温室フロントサッシが取り付けられ始めています。

そして、内部は壁のボードを張り終え、天井のボードを張っているところです。
さあ、完成までもう少しです!

無暖房実験棟見学会とパッシブ視察報告会

2009.04.13

花見日和の温かな日になりました。

実験棟の見学会を開催しました。
約30名の参加があり、久々のヒットです。
来場者は、ほとんどその道のプロばかりで、
うかつなことは申せません。

室内は3層目の断熱材を張り終えたばかり、サッシも取り付き、
ちょうど見学にはいいタイミングでした。

気密シートの位置はどこが適切か、土間下は断熱材が必要かなど
予想通り、鋭い質問や、指摘が有りました。

パッシブ視察報告会

コンフォルトさんのショールームに場所を変えて報告会を開きました。
パッシブハウスとは、に始まりドイツ、スウェーデンの今のパッシブハウスが建築されている
様子などを映像でお伝えしました。
スウェーデン北部・海岸に位置するイリオスに建設中の福祉施設は老人向き、
暖房が要らないくらい厚い断熱材で囲まれた平屋建てですが、かなりへき地でした。
限界集落がない国だから手厚い福祉がなされるので叶う立地かもしれません。

福祉施設のパンフレット

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